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5.ISPの責任
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Gucci
America. v. Hall & Associates, et al. 135
F.Supp.2d 409 (S.D.N.Y.2001) |
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<判決日>
2001年3月14日
<裁判所>
ニューヨーク州南部地区の連邦地方裁判所
<要約>
被告Hall & Associatesは、そのウェブサイト上で「Gucci」の商標を無断で使用して宝石の広告等を行っていた。このウェブサイトは、被告Mindspring社によりホスティングされていたので、原告は、商標権侵害行為である旨警告するEメールを2度送ったが、被告Mindspringは、何らの対応をとらなかったので原告が訴訟を提起したのが本件である。
被告は、連邦通信品位法(Communications Decency Act, CDA、インターネットをめぐる米国判例・法律100選<改訂版>98)第230条の「インタラクティブ・コンピュータ・サービス・プロバイダー」に該当するので免責されると主張した。しかし、裁判所は、CDA第230条(e)(2)は、「知的財産権を制限または拡張するように解釈されてはならない」と規定しているとして、商標権侵害行為は、本条により免責されないと判断し、原告の主張を認めた。
<コメント>
CDA第230条は、名誉毀損等の不法行為からISPを免責する規定であることを確認した判決であり、その後もこれに従った裁判例が出されている(Ford
Motor Co. v. GreatDomains.com, Inc.,
2001 WL 1176319 (E.D.Mich.))。不法行為はCDAで、著作権侵害はデジタルミレニアム著作権法(The
Digital Millennium Copyright Act、インターネットをめぐる米国判例・法律100選<改訂版>92)で、それぞれ免責されることとのバランスを欠くという指摘もあるが、現時点での米国裁判所は、上記のような立場であり、ISPは特に商標権侵害行為の通知を受けた場合には、速やかな対応を採る必要があろう。
<参考サイト>
Phillips
Nizer Benjamin Krim & Ballon LLP |
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